合掌造り家屋は茅葺きの大きな屋根が特徴です。世界遺産菅沼集落では合掌造りの屋根に使用する茅を住民や色々な方に関わっていただき、地元産の茅で集落内の屋根を葺き替えている全国的に見ても稀有な茅葺集落です。
今回主催の五箇山自然文化研究会さんの長年続けていらっしゃる重要な活動の一つとして、約30年間五箇山の伝統的な茅刈り作業を絶えないように活動を行われています。
今回の応援活動では、茅葺き屋根に使われる茅を刈る作業を応援市民の方募集し、県内外から4名のご参加をいただきました。
今回の茅場は世界遺産菅沼合掌造りから国道156号線の道向いの茅場で、地域住民の方、五箇山での自然保存活動をされる有志の方々と一緒に作業を行いました。
地元の方々から鎌による茅刈りの方法を教わり応援市民の方々も茅刈り作業に参加しました。前日の雨で泥濘んだ足場に気をつけながら、急な斜面での茅刈り作業を約2時間行いました。刈り取った茅は全員で協力してバケツリレーで国道近くまで運び出します。
斜面から運んだ茅は軽トラックの荷台に載せ、五箇山合掌の里に運び、雪囲い立てかけて干す作業を行いました。干した茅はその後保管庫に保存され、将来の合掌造りの屋根の茅として使われます。
今回の応援活動に参加された方々にインタビューさせていただきました。
南砺市内から参加いただいた浦山さんは参加の理由について、
「以前、五箇山に来られたことがあり、”五箇山の茅に関するに関わる活動”ということで、葺き替え作業で合掌造りに登れるのかと思い参加しましたが、違っていました(笑)でも、普段南砺市内に住んでいても茅刈りのことは知ることができなかったので、参加できてよかったです。」
また、長野県から夫婦でご参加いただいた三石さんは、以下の感想を共有いただきました。
「元々、高校生の子供にボランティア活動をさせたいと思いインターネットで募集を探していたところ、『世界遺産でのボランティア活動』というキーワードに魅力を感じ、子供ではなく自分たちが参加したいと思い応募しました。」
「今回の応援活動に参加して、合掌造りの家を保全して住み続けるということは大変な作業・活動であり、1人や家族レベルで続けていける作業ではないと感じました。今後も維持していくには地域全体での取組みや色々な人の協力が欠かせないと思いました。」
「また、普段山に行くことや鎌を使うことがないので大変な部分もありましたが、楽しく関わることができました。茅刈りの作業を行う中で、地元の人から合掌造りの家屋のことや生活の裏側などの話を聞けて勉強になりました。」
今回の菅沼集落の茅刈り活動は、応援活動以外にも約半数の参加者が五箇山地域外から五箇山に関わりを持つ参加者とのことでした。人口減少になっても、長年の交流や関わりが地域の自然や文化を支える重要な役割を果たしていると感じることができる活動となりました。
今回の応援活動を通じて、応援市民と五箇山・菅沼集落の方々との新たな交流が生まれると嬉しいなと思います。